介護職への心がまえ(★重要)

介護士の心がまえ

介護職3年目のTSUBOが考える、介護職への大事な心がまえをいくつかお伝えします。

あくまでも私独自の考えですが、皆様に少しでもご参考になればと思う次第です。

気概を持って、日々の仕事に挑む

※気概(きがい)・・・困難にくじけない強い意気。気骨。

  気概をもつことの具体例としては ↓

「弱音やグチを吐かない!」 「言い訳をしない!」

「人のせいにしない!」「苦手な仕事から逃げない!」

 などですね。

うちのデイサービスの男子トイレにこんな張り紙が貼ってあります。

「男子たるもの トイレも 気概も 一歩前進」

最初はちょっと鼻で笑うくらいで用を足していたのですけど(笑)、「気概」という言葉は普段あまり使いませんよね。それで、言葉の意味を検索してみると、これが介護士がとても大事にすべきことだと、いつの日か思うようになってきたのです…

未経験・無資格で飛び込んだ介護の世界。当初1年間くらいまでは、まあ失敗続きの上、業務に追われる余裕のない毎日。苦手な業務の時や、苦手な利用者さんと接する時などに、「この辛い局面を早く終えたい」というネガティブな思いが心を支配してしまっていたものでした。

しかし、いつの日だったか、この「気概」の心がまえの大切さに気づいた時がありました。

介護の仕事には、「しんどいわ~」、「あ~やべえ」というケースは、本当に多々ございます。

例えば、「利用者さんが急変された場合」、「利用者さんが怒り出して暴れた場合」、「人手が足りず困る場合」、といったトラブルなどで、パニック状況に陥ることも度々発生するのです。

できれば、そのような大変な状況にはなってほしくないものですが、それらを「起こらないで」くれと怖れてネガティブに捉えているよりも、「どんな問題が起きても、乗り切ってみせるぞ」という前向きで強い心構えでいるほうが、いざ問題が発生した時に、「動揺し過ぎず、冷静さを保ち、しっかりと対応することができる」のです。

そのことに気づきだしてからは、私の場合、毎日仕事に向かう通勤時には「今日も気概をもって働くぞ」という心がまえを行う習慣ができました。

そうすると、不思議なもので苦手な仕事や利用者さんへの余計な怖れは薄れていき、なんだかどんな仕事も楽しみに感じることができるようになっていったのです。

そして、そんなポジティブな心構えは多分ですが、自分の雰囲気にも表れるのかもしれません。利用者さんや職員同士との関係も、以前よりも心地良い雰囲気が高まってきた気がしています。

このような私の実体験をもとに、私が介護の仕事への心構えとして、一番に挙げることは

「気概を持って、日々の仕事に挑む」ことなのです。

決して、キレることは許されない!

介護士はどんなことがあっても、キレることだけは絶対にあってはなりません。

利用者さんに対しては当然のことですが、職員含め、関わりのある全ての方に対してもダメです!

「大声で怒鳴る」「睨みつける」「不機嫌をあらわにする」

 このような行為もダメですよ!

介護の仕事は「感情労働」であり、感情をコントロールすることが求められます。

たとえ理不尽なことが起きて、納得がいかないとしても、受け容れる忍耐力がもとめられるのです。

この点は、あなたのこれまでの境遇からは、心構えを完全に切り替える必要がございます。

私の考えですが、

「ひとは強い決意をもてば、自分の感情をコントロールすることは可能である」

と思っております。

実のところ、私は実際に一度この失敗をやらかしているのです。その話を少ししますね。

デイサービスに勤めて3か月過ぎたあたりのこと。

失敗続きで叱られること続きだった私は、上司の女性管理者の辛辣な言葉を受けて、

溜まっていたうっぷんが噴き出し、瞬間的に大声を出し、「うるせー、ふざけんな!。。。」

と、他職員もいるなかで怒鳴ってしまった。 このような大失態を犯したのです。

頭を冷やした後に管理者にお詫びしたものの、「この職業にそぐわない人間じゃないか、辞めるべきでは」

といった指摘も受けたりしながら、その際に誓いとして、

「二度とあんな態度はとらない。もし同じことをしでかした時にはこの仕事を辞めます」

と管理者や先輩達にも宣言したのです。

そのときから、「感情をコントロールする心構えをもつ」覚悟をきめたのです。

そして、その管理者が私を鍛えてくれるために、厳しく指導・教育してくれたおかげもあって、

以後3年経過した今では、「もう二度とキレない」と自信をもって言える私がいます。

「強い覚悟をもてば、自分を変えることは可能」

と、私は確信したのです。

ですので、この点を自信がない、不安だという方もいらっしゃると思いますが、

「強い覚悟をもてば、感情はコントロールできます」というのが、経験者である私からの考えです。

ですがここでひとつ、厳しいことを伝えさせてもらいます。

このキレる行為を、どうやっても抑えることが無理という方には、

残念ですが、介護の仕事は諦めて頂くしかありません。

強い決意で感情をコントロールしていくんだ!という覚悟を持てない方は、介護職は辞めた方が良いかと

自己犠牲の精神 (自分本位は✖)

介護士は仕事において、

「相手のために、自分は一歩引く」

ことを心がけましょう。

『自己犠牲の精神』です。

介護現場の主役は、何よりもご利用者様なのです。利用者様のために献身的精神で努めるべきです。

自らはつねに「縁の下の力持ちの役」を目指すのがよいでしょう。

認知症の利用者さんの場合は、こちらの感覚とはかけ離れた言動や行動がみられます。それでも傾聴して、利用者さんの内面に寄り添っていくことが求められます。

自分のペースではなく、相手のペースに合わせることが求められるのです。

そして、利用者さんに対してだけではなく、職場の同僚みんなに対しても、その精神をもちましょう。

「自己中心的」「自己主張しすぎる」

「自分を正当化しがち」

⇧このような態度は✖です

何故ならば、介護の仕事は個人の仕事でなく、

「チーム一丸で遂行する仕事」

だからです。

どんな職種でもそうかもしれませんが、とくに介護の仕事は絶対的なチームワークが求められます。

「助け合ったり」、「情報を共有し合ったり」「声をかけ合ったり」などのチームワークが万一欠けてしまうと、正しい介護ができなくなってしまうのです。

自分中心な振る舞いなどは、職場のチームワークを乱していくでしょう。

職員同士はお互いを尊重し合い、信頼関係をしっかりと築いていきましょう。

そのためにも、介護士は「自己犠牲心」「献身的精神」を心がけることが求められるのです。

無条件の愛を与える人になる

福祉の仕事では、

「無条件の愛」

・・・与え続ける愛、見返りを求めない愛

を担う人を目指すべきことを、私は学びました。

このような表現は崇高すぎて、たじろいでしまう方もいられるかと思います。

しかし実は、ここに示した愛を身につけたり行動で示したりするのは、あなたが想像するほど難しいことではありません。その愛を担うのは、重労働でもなければ、耐え難い苦痛をもたらすものでもないのです。

福祉の道に身を投じる者は、きっとここに示す愛を担うことができるはずです。

なぜなら、福祉・介護の仕事に従事するなかで、そこにはあなたが欲する大きな喜びが存在するからです。

↓私がこのことを学んで、ときどき心の中で唱えている、この言葉をお伝えします。

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例え、自分が傷ついたとしても

愛をもって接する人になる

このような心がまえをそなえておけば、心穏やかに相手に向き合えてくると私は信じています。

そして、この心がまえは利用者さんに対してだけではなく、職員に対する場合も同じようにそなえておくことが大切です。

そうすることで、「誰もが居心地の良い場所を築いていく」ことが理想と思っています。

プライド・価値観を捨て去る

これは、とても切ないことですが、介護の仕事に身を置くならば、

あなたがこれまで培ってきた職業人としての自分のプライド価値観を、全て捨て去ってください。

なぜならば、あなたのそのプライドが職場において余計な軋轢を生む可能性が高いためです。

あなたがこれまで長年勤めてきた成果で、あなたなりのプライドや職業価値観が培われていることでしょう。

それは本来ならば、あなたの素晴らしい財産であると私は思います。

しかし悲しいことですが、そのプライドや価値観は、介護の職場内では弊害になってくる恐れが大きいのです。

どういうことかを説明いたします。

まず、プライドが高い人の傾向として

「否定されたり、ミスを指摘された時、素直に受け入れられない」方が多いと思われます。

そういう人はほとんど、周りから「面倒くさい奴」と思われていますよね。

とくに、女性からの受けがヒジョ~に悪い! 本人が気づいていないだけで…

介護の職場は女性メインの社会で、そこではプライドが高すぎる人は、煙たがられる確率はほぼ100%と言ってよいです。

またさらに、職場の先輩達からしたら、

まったくの未経験・無知識で介護現場に飛び込んできたド新人は、とんだお荷物でしかないのです

介護のイロハも右も左も分からない、トロそうなおじさんがいきなり職場に入ってきたら、まあほとんどの先輩方はいい迷惑だと思う筈です。多忙な業務のなかでいちいち1から教えていかなきゃならないし、知識ゼロなので何をしでかすか分からない、危なかっしくてハレモノのような存在と思われることでしょう。

介護業界は職員の出入りがとても頻繁な世界で、新しく入ってくる新人に職場の仕事を教えるのは度々あることなのですが、神経を使う役目なので「出来れば他の人がやってくれたら助かる」と思っている職員がほとんどなのです。

それが全くの介護未経験の新人だとしたら、さらに何倍もの労力を割かなきゃならないわけです。

そういう先輩方の思いをド新人のおじさんはまず気づかないでしょう。この私がそうだったからです。

それなのに入社したての私は、「なんでもっと丁寧に教えてくれないんだ」「新人の教育制度が全然できていない」そんなふうに自分の価値観だけで考え、職場に大きな不満を感じていたのです。お恥ずかしながら!

私の場合はその不満が募って、ついにあふれ出てしまい、上司に逆キレする大失態をしでかしてしまいました。

「ちゃんと教えてくれないあんたらが悪いだろ!」って…

その上司にしてみれば、「このド素人のおっさんはこっちの苦労も知らずに、何を偉そうに文句を言っとるんや!」ときっと思ったことでしょう。

このことは私がいくらか経験を積み、新人さんに業務を教える逆の立場になってから、ようやく認識できてきたことでした。

私の実体験を一つお伝えしたのですが、整理しますと、

あなたがこれまで他業種で働いて培ってきた価値観やプライドから、介護の職場に対して不服に感じたりすることは、きっと多々あるものと思います。なぜなら、介護業界はまだまだ未成熟な事業所がほとんどで、教育制度だけでなく、運営面や業務面など、首をひねりたくなる点が多く存在するからです。

しかしそれを口にしたり態度に出てしまうと、周りの先輩方にしたら「ド素人の仕事ができないおっさんが何を言よるんや」「こいつはもう知らんわ」と、大いに反感を買ってしまうわけです。

このように、別の業界で生きてきた者の独りよがりのプライドや価値観は、介護現場で頑張ってきている先輩方にとっては、ただただ煩わしいものであり、反感を買って軋轢を生みかねないのです。

新参者、素人で飛び込んでいく立場としては、このことをしっかり認識しておきましょう。

素人の自分は、先輩方から学ばせてもらえる立場であり、助けて頂けるという、感謝の思いを忘れてはならないのです。

先輩方や上司と、良き同僚・チームとして信頼関係を築いていくためにも、

あなたの大切なプライドや価値観はグッと胸の内だけに潜めておいて、

いつも謙虚な気持ちで、同僚に接していくことを心がけていきましょう。

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