【おでかけ(外出)レク】
レクや行事のなかでも、ご利用者さんが最も喜んでくれるのは
「おでかけ(外出)レク」と僕は感じています。
80~90代となり身体能力が低下傾向にある利用者さんは、自宅や施設だけで日々を過ごし、病院に行くくらいしか出かけることがない方が、ほとんどです。
単調な毎日のなかで、外出レクは、日頃味わえない爽快感・刺激などを与えてくれるようです。
自由に行動できる我々世代では気付かない、貴重な喜びなのです。
外出レクからデイに戻っている車中で、利用者さんの多くが
「すごく良かったよ~」「ありがとね~」
などとしみじみと言ってくれる時、私たちも
「こんなに喜んでもらえるんだ!」と驚き、
「実行して本当に良かった」と大きな喜びを感じるのです。
また、利用者のご家族さんにも有難く思ってもらえて、感謝の言葉をよく戴けます。
「ご家族さんに代わって、利用者さんの喜びを満たしてあげる」
そんな側面もあるのです。
ただしですが、
本来デイサービスは、原則事業所の中でサービスの提供を行うことになっています。
外出レクを実行するためには、それなりの根拠が必要で、目的を明確にした計画に基づいて行わねばなりません。
また、ご家族にも事前にお知らせして、ご了解を得ておくようにしています。
そして実は外出レクは、職員にとっては不安やプレッシャーも大きいため、消極的になりがちなのが実情です。
「利用者さんの体調面や、安全確保の不安」
「出かけることで、他の業務がタイトになる」
このような面からも、職員にとっては重荷であることは間違いないのです。
うちのデイの場合も、消極派のほうが多めで、微妙な雰囲気はありますが、
だいたいは、私TSUBOが「利用者さんの喜びを優先させたい積極派」として、
(空気を読めない奴と女性陣によく言われます)
「行きましょうよ!」と声をあげているのが実情です。
実行するためには、なるべく早い段階から立案し、職員同士の諒解をとっておくことが必要ですね。
事前に十分な打ち合わせを行って、役割分担、準備物の用意等、しっかり段取りをしておくことが大切です。
そうして職員全員で協力して実行し、無事に外出レクを終えた時には、
「みんなで達成感を得られる」
「一体感・信頼感もUPしている」
そんな成果も生まれるのです。
ご参考までに、
うちのデイでここ3年で実行した外出レクをいくつか挙げておきます。
★春のお花見、秋の紅葉狩り
★初詣や、近場の神社にお参り
★地域の音楽演奏会の観賞
★美術展の見学
★道の駅などでお買い物
★地域の花壇を観賞
ほかに昨年秋は、僕と管理者の立案による、遠出のお出かけ行事として
「呉の大和ミュージアム」見学を決行。ほぼ一日がかり、マイクロバスを僕が運転して行きました。
事前に下見を数度行い、館との打合せ、コース・駐車場の確認、食事先の確認など、段取りも大変で、
さすがに無事に全て終えた時は、ドッと脱力感を感じたものです。
日頃から、地元の新聞記事やイベント情報等をチェックしておくとよいです。
基本は、片道30㎞以内で2時間程度のコースを目安。
目的地に清潔なトイレがあることの確認や、
利用者さんが気分不良になった場合の備えも大切です。
このように外出レクには、大変な苦労がつきものなのですが、
無事に終えた時の職員の一体感や、何よりも
「利用者さんの笑顔・喜び」が、私達の大きな喜び・満足感になるのです。
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