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「訪問介護 倒産最多45件」
訪問介護事業者の倒産は25年上半期に全国で45件あり、2年連続で過去最多を更新した。
うち38件は、介護報酬の減額や利用者減少による売上不振が要因だった。
各事業者は報酬減により、賃上げに回す資金が乏しくなっている。ヘルパーの採用が難しく、人手不足が一因となった倒産も6件あった。
倒産事業者の規模は、これまで小規模・零細事業者が大半だったが、今回は中小事業者にも広がり、業界の苦境が鮮明だ。
介護報酬が減った状況で経営を維持するにはコスト削減による収益改善が欠かせないが、ガソリン代高騰などの物価高で、コスト削減は難しい。
東京商工リサーチの分析、
「自力での経営改善は限界。国や自治体の支援強化が必要だ」
介護保険をベースとした介護事業は、既存の仕組みではさまざまな限界がきています。
とりわけ、訪問介護事業はすでに危機的状況といえます。
なかでも中山間・人口減少地域では、非効率性を理由に大手事業者は営業を躊躇する傾向がみられます。頑張ってサービスを続けてきた小規模事業者は荒波に吞み込まれて廃業していく。必然的に中山間地域では、訪問介護の真空地帯がうまれると危ぶまれているのです。
このままでは、高齢者は地域の中で自宅での生活を続けることが難しくなります。
国はもともと「介護の在宅化」を推進しているにも関わらず、昨年の訪問介護マイナス改定を行うなど「現状を全く把握できていないのか?」政府の考えはよく分かりませんが、今まさしく危機的状況にあるのに、有効な対応をとらずに放置を続けているというのが実態です。
『結城康博』教授(淑徳大学総合福祉学部)
が、この苦境への有力な解決策を伝えています。
『公務員ヘルパーの導入』です。
人口減少地域での訪問介護は、経営面の限界から民間事業者では困難になりつつある。
自治体が「公務員ヘルパー」を確保し、責任を持ってサービスを提供するのが有効な手立てだと主張されています。
採算が合わないからと地方の市民を見捨てることなど、あってはなりません。
介護保険料を徴収している国は、国民の介護に責任を負っているからです。
これまで事業者に丸投げしてきた国ですが、国民への責任を果たすために、方針転換が必要な時にきているのです。
また、結城先生は公務員ヘルパー導入のメリットを挙げています。
低賃金のイメージが根強い介護職だが、正規の公務員であれば安心感や魅力がちがう。
求められる条件を提示することで、若者が職業選択のなかで介護に興味をもつきっかけになると期待できる。
若い人材が公務員ヘルパーとして地域に根ざして働けるようになれば、地方創生という観点からも大きな意味をもつ。
単に介護人材の確保にとどまらず、地域コミュニティの維持・再生にも寄与するのではないかと。
訪問介護においては「カスタマーハラスメント」等の問題が起きています。
そのような困難事例への対応といった観点でも、公務員ヘルパーは有効といえます。
職員を守るためからも、民間事業者では対応を断るケースもあるでしょう。
しかし、安定的な立場にある自治体の職員であれば、指導的な役割も担いながら継続的にケアにあたれます。
これは中山間地域に限らず都市部でも、
さらに訪問介護以外の施設においても、重要な視点です。
実際に聞いたことのある話です。
対応が困難な利用者を引き受ける民間の介護施設が、それと引き換えに杜撰な介護・職場環境になっているという例です。かなり酷い状況であるのに、引き受けてもらっている負い目がある役所は注意が出来ないそうです。そこを潰すと困る利用者・家族が居るからです。
民間事業者では困難な対応を、国・自治体が請け負う。
困難な利用者について公務員ヘルパーが対応。行政が直に責任を担う方法です。
最後に、結城教授の言葉で終わります。
この国の今後を考えると、介護サービス提供体制の持続性の確保は極めて重要なテーマだ。
そろそろ抜本的な施策を講じなければ「制度あってサービスなし」という日が近く訪れるだろう。
今、公務員ヘルパーの導入を真剣に議論すべきだ。
地域の厳しい現実を直視し、政府には勇気を出して思い切った手を打ってほしい。

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