最近、YouTubeで『かいご噺(ばなし)』というチャンネルを発見しました。
きっかけは、今回の動画
「介護の政策vol.1~れいわ新選組編~」
オンラインでのトーク形式で、なんと、れいわから
『やなぎさわ聡』
:品川区議。介護歴13年、現在は施設管理者。
『やはた愛』
:衆議院議員。厚生労働委員会で活躍中。
のお二人が出演!
介護従事者、地方議員、国会議員、それぞれの立場から、介護業界の課題について
ざっくばらんな本音トークが繰り広げられました。
その内容について、今回はお伝えしていきます。
『かいご噺』チャンネルとは
「介護従事者の発信の場をつくろう」
「介護の仕事に誇りや、やりがいを感じて欲しい」
「介護業界を盛り上げよう!」
そんな思いを込めて始められたという、チャンネルです。
運営は、坂野悠巳さん(総合ケアセンター駒場苑の施設長)
介護現場の代表として「ケア社会をつくる会(介護事業者・労働者・利用者・家族・研究者等によって結成)」に加わり、各政党が参加する院内集会にも出席されています。
動画は月1回ペースで配信。これまでの投稿数は45回を数える。「認知症患者への対処法」や「入浴介助のノウハウ」「介護リーダーの指針」など、介護職員にとって非常に参考となりうる、様々なテーマを取り上げられています。
「れいわ新選組編」への経緯
まず、坂野さんのお話。
「介護は、政治の影響をモロに受ける業界である」
我々の給与や労働環境は、国の定める「介護報酬改定」「介護保険制度の改定」によって決められていくからです。
政治とのつながりが深い業界と言える。
しかし介護の改革はなかなかすすんでいかないのが現状。
今の政権ではなかなか変わっていかないのではないか
「介護のことをよく考えてくれている党を、我々は選ぶべきじゃないか」
と考えるようになった。
そんななか「ケア社会をつくる会」から各政党への11の質問。そのアンケートでの
れいわ新選組の回答に衝撃を受けた。
「自分たちの考えとほぼ一致している」
具体的政策には「党内に介護のプロが居るはず」と感じたと。
それから衆議院の院内集会で同席した、やなぎさわさんが坂野さんに声をかけた。
「Xみてますよ」と。そこから二人のつながりがスタート。
「かいご噺に出て欲しい」とダメ元でお願いしたら、一つ返事で「いいですよ」と。
さらに「やはた愛さんにも出て貰いましょう」と取り計らってくれたと。
こうして、れいわメンバー2名が参加した
かいご噺「れいわ新選組編」が実現したのです。
「介護の政策vol.1~れいわ新選組編~」の内容
【政治の影響を受ける介護】
「やはた」議員より
介護問題の改善は、自民党にはできない。他の野党も無理だと思う。
どの政党も、介護をないがしろにしているわけではないが、今は「自己責任」という考えが助長していると感じる。「自分でなんとかできるだろ」「強い者しか生き残れない」新自由主義というもの。
医療費を4兆円削減しようという動きがある。医療・介護・福祉は予算を削る対象になりつつある。どんどん増加する高齢者にお金をかけてもしゃあないだろうと。「病床を減らす」「過疎地は病院をなくしてリモートで診察しよう」効率が悪いからと。
れいわ新選組には、やなぎさわさんという筋金入りの介護のプロが居てくれるし、介護現場の声を聴くセミナー参加を積極的に行うなど、党として重要課題として取り組んでいる。
重度障害者の議員輩出は福祉として繋がっている。当事者の声を反映してきた。
だから、れいわがやる!「変わる」と信じて活動している。
でも、介護現場の人には叶わないから「声を聴く」「思いを伝える」ことを重視したい。
なので、この機会はとても有難い。勉強させて頂く。
「やなぎさわ」区議より
★国の目的は、とにかく社会保障費を抑制したいだけ
「地域に福祉サービスを任せます」とか言うのも、結局は福祉の予算を抑えたいから。
苦境に立つ訪問介護も、現場の人の良心だけでなんとか成り立っている状況。
★要介護認定の判定が明らかに厳しくなってきた
要支援1・2の介護保険外し。さらに、国は「介護度1・2も総合事業にしよう」と目論む。保険給付を削減したいがために。
保険を使えるのは要介護3以上だなんて異常。介護は崩壊してしまう。
★ICT化政策について
国は人員不足の対応としてロボット化・人員配置基準の見直し等を掲げているが、現場の負担や利用者へのリスクは増すばかり。れいわは反対の立場である。
「テクノロジーを使ってもこれ以上人員を減らすことはできない」(坂野氏)
「ロボットにお世話ができるのか?政府は倫理観が欠けている。とにかく効率化・大規模化・集約化と、それが現政府の発想」(やはた氏)
★品川区が訪問介護への補填を決定
昨年の国のマイナス改定を受けて、品川区議会では見直し案が何度も合議されてきたが、自・公・立憲の反対多数で却下され続けた。(やなぎさわ氏が奔走して現場の声を集められてきたのです)
しかしこの度、区長・区役所が動いて、区が単独で「訪問介護のマイナス分を補填する」補正予算を決めたのです。声を挙げている議員が沢山いるからと。
これは画期的なできごと。
国ではすすまない案件が、地方は首長の判断でスピーディに決めることができる。
この品川区の決定を他市町村も追従する可能性が生まれ、国にプレッシャーをかける第一歩になるかもしれない。
「明石市の子育て予算の例のように、地方から変えていく方が早い気がする」(やはた氏)
「立憲民主党は国政では介護職員の処遇改善案を提出したり、介護分野への改善の姿勢をみせているのに、地方区議では改善反対に回ってるという矛盾。やなぎさわさんのX発信は当時かなり炎上した」(坂野氏)
【介護現場の実情など】
小林さん(栃木県の宅老所はいこんちょ代表)より
国からの介護報酬が上がらず、各事業所にしっかり財源がきていないなかで、職員に分配したくてもこれ以上は経営がやっていけないという状況に対して、実情を分かっていない職員は、事業所がケチと怒っている人がかなり多い。
「自分達の給料が低いのは、上がとりすぎてるからだろう」
職員と、管理者・長との闘いみたいになってしまう。
職員同士間でも「なんで自分よりあいつが多く貰っているんだ」
など、職員同士、管理者との空気がギスギスしやすく、揉め事も起きている。
本当は、声を挙げていくところが違うのに。
闘わされているのが実体なのに。
それでいて、選挙には行かないで、変わらないとこぼしている。
この動画を視た人には、こういった実態があることを分かって欲しい。
(最後に、坂野さんのX発信より)
今回の動画の再生回数は、1週間で7,500回越えと大反響。
れいわ新選組の介護の政策を初めて知った、と言う介護従事者もまわりに多く、どこの党がどんな介護の政策を掲げているか、意外と知られていないことが分かった。
れいわ新選組の介護の政策は、かなり介護現場に即したものだったので、次に出る政党は出づらいかもしれません。
今後も、介護の政策を選挙の争点にしていきたいと考えています。
(介護従事者のみなさまへ)
「かいご噺」YouTubeチャンネルは、とても参考になる内容が発信されていると著者は感じました。
個人的には高口光子さんの
「介護リーダー7つの勘所」出版記念の回がすごく勉強になり、おすすめしたいです。
ぜひ、ご視聴してみてください。
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