TSUBOの認知症ケア

お役立ち情報

介護士になって4年。著者TSUBOがこの仕事で一番むつかしいと感じてきたこと、

それは「認知症ケア」です。

「どう接するのが正解なのか?」答えが分からずに悩んだり、気を揉んだり、うまくいかなくて自分のストレスにもなったりしてきた、とても大きなことです。

悩みながらも続けてきた今、

TSUBOなりに「大事にしたい心がけ」が、少しだけ出来つつあります。

それが正解とはまったく思ってはおりませんし、介護士それぞれ異なる感性があるものと思います。

あくまでもTSUBOなりの「認知症ケア」への向き合い方ではありますが、

「参考にしてもらえたら」という気持ちから、今回まとめてみました。


認知症の症状は、その方のさまざまな個性があらわれるものであり、

「ケアはこうすべき」というような画一的なものではありません。

だからこそ介護士にとって簡単なものではないのでしょう。

認知症の方でも明るい性格の方や、問題行動があらわれない方も居ります。

そういう利用者さんには、ごく自然に接していけばよいと思いますが、

さまざまな問題行動があらわれる利用者さんへの接し方は、

「適切な対応はどのように?」と悩みながら模索し続けることになります。

 

「すぐ席を立ち、ウロウロされる方」

「施設の外に出ようとされる方」

「入浴への拒否が激しい方」

「興奮して大声で暴言をはかれる方」

「モノを持ち帰ろうとされる方」

などなど、いろんなタイプの方が居られますが、

僕の場合の、認知症利用者さんへの接し方として

「自分の柱にしている心がけ」を伝えます。

それは、その方の

『安心できる存在になる』ことです。

人間関係では、信頼関係を築くことが大事とよく言われますが、信頼される存在になるまでにはそれなりの歳月を要するでしょうし、容易なことではありません。

「信頼できる存在」よりも少しハードルを下げて、

「安心できる存在」をまず目指すのです。

 

認知症の方が不穏になったり、問題行動が出る場合には、

なにかしら「不安な心境」になっている可能性が高いと思われます。

例えば、

「みんなと同じようにできない時の疎外感」

「自分の言いたいことをうまく伝えられないイライラ感」

「馬鹿にされているように感じる怒り感」

そんな不安を感じているときなどに、安心できる人がそばに寄ってきてくれたら、

不安感が和らぐこともあるのではないかと。

「自分の味方。安心できる」

そういう存在がそばに居てくれることは、とても心強いことと思うのです。

そして、安心できる存在になるための大切な心がけは、

「つねに温かい心で触れあう」ことと、僕は思っております。

温かい心で「家族」の気持ちでいることを心がけております。

「会話のやりとりはうまくできなくても、心が通じ合う」味方なんだと。

(ちなみにこの心がけは、認知症ではなくても、すべてのご利用者さんに対して、もっているものでもあります)


次に、TSUBOなりの具体的な心構えもあげてみます。

★「独りぼっちにさせない」

同卓の方と会話がうまくできない方の場合、自然と独りぼっちの状態になることが増えてきます。そういう時に、さりげなく近寄って声をかけるように僕は心がけています。ただそばに居ることだけでも孤独感や不安感を和らげる効果があると思うのです。

★「ボディタッチで愛情を伝える」

背中にそっと触れたり、優しく肩を揉んだり、時には握手をしたり。

からだに触れることで温もりが生まれます。こちらの温かい気持ちをボディタッチで伝えます。

会話はあまりうまくできなくても、ボディタッチでしっかりと心が通じ合えると、TSUBOは信じています。

★「笑いを引き出す」

その人独自の笑いのツボや、気分が上がる、嬉しそうになる、そういう話題などが少しずつ分かってくるものです。「一緒に笑い合える」そんなちょっとした会話ができるようになると、一層距離が縮まっていくと思います。

★「どんな行動も受けとめる」

不穏におちいっている時、怒りの感情があらわれている時など、

その方の感情を受けとめる心構えが大切です。

本人が感じている不安・怒りを、否定せず、まず受け止めること。

時間をかけて少しずつ、不安やストレスが和らぐように、静かに寄り添うことが求められます。

★「感謝を伝える」

その方ができること、例えば洗濯物を畳んでもらうなどをお願いしてみて、やってくれたら心から感謝を伝えます。

感謝されることで「嬉しい」「喜び」の気持ちが生まれるはず。

すごく大事なことだと思っております。


最後に、認知症ケアでは

「あせらずに長期的な視点で、関係を築いていく」

そんな心構えが大切と思います。

 

また、今回は介護士としての心構えを伝えましたが、

認知症ケアは、職員全体でのチームとしてのケアが重要な課題です。

さらに、家族様のケアや、地域でのケアなど、様々な取り組みが求められています。

幅広い視点も身につけていかねばなりません。

 

TSUBOはまだまだ半人前の介護士であり、

「もっともっと、適切な認知症ケアを身につけていきたい」

そう思っております。

介護士の皆さん、お互いに頑張っていきましょう!

コメント