『介護福祉士試験に挑戦される方』に向けて②

お役立ち情報

第37回介護福祉士国家試験を終えた著者TSUBOが、今回の試験問題を振り返り、

これから試験に挑戦される方に向けて、

「どのようなことに気をつけて学習すべきか」

など、著者が考える留意点などをお伝えしていきます。

ご参考にして貰えたら、嬉しいです。

 

それでは留意点を挙げていきます。

言葉を暗記するだけでは駄目。中身をちゃんと理解する学習が必要。

参考書(テキスト)は万全ではない。さらに詳しく調べて理解を深める。

具体的に、今回の問題例を挙げて説明します。

問題39(認知症の理解)

『2019年の認知症施策推進大綱』について

この問題を見たTSUBOは「よし、覚えた所が出たぞ!」と喜び、

この大綱の第一の柱である「普及啓発・本人発信支援」という文言がある4を選ぼうとした。

しかし、「あれ何かおかしいかも?」と気づきます

4の内容

「普及啓発・本人発信支援として、家族が積極的に本人の意思を代弁することが示された」

後半部分が何かおかしい?「家族が積極的に代弁?」そんなことが正しいか?これはおかしいかも? と悩んだ末に誤りに気づいたのです。

正直なところ、この問題はTSUBOにとって、最も腹立たしい問題でした。

いわゆる「ひっかけ問題」でしょう。

もちろん、ちゃんと読めば4の誤りに気づかねばならないのですが、

わざわざ、この大綱の柱である「普及啓発・本人発信支援」という言葉を出しながら、その言葉に続く文章の間違いに気づけるかどうかという意図の問題だったのでしょう。

この出題者の性根の悪さに対して、TSUBOは無茶苦茶腹が立ったのです。

せっかく懸命に覚えた2019年認知症施策推進大綱「普及啓発・本人発信支援」を、こんなひっかけ問題に使うのか…

「介護士を惑わすような問題を作るあなたたちは、いったい何を求めているのですか?」

そんな思いが湧き出て、TSUBOは受験中ながら頭に血が上ってしまっていたのです。

 

まあ、厚労省さんにしたら、読解力や注意力を求めているのかもしれませんね。

つい、僕の厚労省嫌い病が発症してしまいます。

腹が立ちますけど、僕たちは受け入れるしかないのですかね

正答は1「共生と予防を車の両輪として施策を推進していく」でした。

かなり時間を費やし悩みに悩み、何とか1を選んだのですが、頭に血が上るほど僕にとっては腹立たしい問題だったのです。

ちにみに1にたどり着いた理由は、初任者研修時に「車の両輪ですすめていくのが国の方針」と習った記憶があったからです。

もう少し、述べますね。

(僕の活用した参考書の内容は)

2019年の認知症施策推進大綱では、以下の5つの柱として取り上げられた

1.普及啓発・本人発信支援

2.予防

3.医療・ケア・介護サービス・介護者への支援

4.認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援

5.研究開発・産業促進・国際展開

これが参考書の記載内容の全てです。他に説明はないです。

『共生と予防を車の両輪として施策を推進していく』の説明は記載されていなかったのです。

しかしです。試験後にネットで、大綱の概要を調べたところ、

【2019年に策定された「認知症施策推進大綱」は、認知症の人や家族の視点を重視し「共生」と「予防」を両輪として施策を推進するものです。この大綱の目的は、認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる社会を実現することです…】

と、ちゃんと正答部分の内容が示されていたのです。

もしも、この説明をしっかりと読み込み理解していた人ならば、今回の問題にあっさりと正答を出せたでしょう。

つい愚痴が多くなってしまいましたが、学習の留意点として

市販の参考書(テキスト)は、

「各内容を整理・要約化した表記」が中心なため、

「詳しい説明が不足しがち」です。

参考書だけの学習では、理解度が足りない場合もあるということです。

 

TSUBOが推奨する学習方法は、

参考書だけで満足せずに、

「(ネット等を活用し)さらに詳しい資料を探してじっくり読み込み、

しっかりと理解して、自分のモノにする」

ことなのです。

「グーグルなどで項目を入力して検索してみると、詳しい資料がいろいろと出てくる」

今は、便利な世の中ですから。

 

これが、TSUBOが自分の反省から導き出した、

「大切な学習の取り組み方」なのです。

めんどくさいことではありますが、しっかり理解する学習をしておけば、試験への不安も減るでしょうし、何より自らの「介護の知識を深める」ことにつながるメリットがあると思うのです。

ちなみに今回の試験では、同様の「しっかり理解しておかなければ解けない」問題が他にも多く出ていましたので、抜粋してお伝えします。

(社会の理解)

問7「社会福祉法人の正しい記述」

問8「定期巡回・随時対応型訪問介護看護の説明」

問10「保健所に関する事項」

問11「地域包括支援センターの業務」

問14「障害者の雇用(法定雇用率)」

問16「障害児支援に関する記述」

問17「サービス付き高齢者向け住宅(高齢者住まい法)」

(こころのからだのしくみ)

問27・28「レム睡眠」・「周期性四肢運動障害」

(介護の基本)

問69「介護従事者を守る法制度」

問72「防災対策(業務継続計画)」

他にもいくつかあると思いますが、

「しっかり理解しておくことが必要」な問題がこんなにもあることを、心得ておきましょう。

苦手分野を重点的に学習

みなさんはおそらく、試験範囲のなかに「得意分野」と「苦手分野」があると思います。

僕の場合でしたら、

得意分野は「介護の基本」「総合問題」

苦手分野は「こころとからだのしくみ」「人間と社会」

当初、このように感じておりました。

 

TSUBOが考える試験対策は、

「苦手分野」を重点的に学習することです。

苦手ということは、自分がそこでの「知識・理解度がより低い」ということを認識せねばなりません

逆に、得意分野は自分の「知識・理解度が高め」といえるので、それなりに得点をかせげるはずです。

試験で余裕をもって合格ラインをクリアしたいのであれば、苦手分野を重点的に学習していき、苦手範囲を少しでも減らしておくことが効果的な学習方法だと、TSUBOは考えます。

また、合格基準では

【11科目群すべてにおいて得点があった者】

となっていますので、一科目でも全問不正解があると合格できないのです。

このことからも、苦手分野をそれなりに克服しておく必要があると思うのです。

 

TSUBOは、とくに苦手だった「こころとからだのしくみ」分野を重点的に学習しました。

なお、この分野の知識・理解を高めることは、自身のスキルアップにつながるメリットもあります。「介護士にとって重要な分野」と言えます。

今回の試験で〈領域:こころとからだのしくみ〉問題数は全40問もありました。

【こころとからだのしくみ:12問】

【発達と老化の理解:8問】

【認知症の理解:10問】

【障害の理解:10問】

このようなボリュームゾーンであり、さらに難易度も高かったと言われています。

この分野で、それなりの得点を採ることは非常に大きいはずです。合格へのキーポイントともいえるでしょう

「こころとからだのしくみ」は特に、しっかりと学習されることをおすすめします

難問対策は不要。試験で不正解でもOK

今回の試験で、僕的に「ムリ、知らんわ」とお手上げだった問題は下記の7問。
問14 障害者雇用の「民間企業の法定雇用率」
問20 「三叉神経」
問28 「周期性四肢運動障害」
問32 「神経性無食欲症」
問37 「サクセスフル・エイジング」
問51 「クローン病」の症状
問122 自立観を示した人物 ⇒「エド・ロバーツ」
過去問で見かけないような難問も出ますが、割り切ってあきらめたほうが良いと僕は思います。
カンを働かせて適当に選び、当たったらラッキーくらいに考えましょう。
125問中80問正答すれば合格ラインです。45問不正解でも大丈夫なのです。
満点を取ろうとすれば、非常に幅広く、深く学習しないといけませんが、とてつもない時間を費やすでしょう。
「とれるところをしっかりとれるように」
そんな心構えで学習されることをおすすめします。

以上のように、著者がおすすめしたい学習の留意点などをお伝えしました。
その趣旨は、
「試験に合格するためだけではなく、しっかり理解し、自分のモノにする」
「介護士としてのスキルアップにつなげる」
ことにあります。
しかし、僕がおすすめするようには
「じっくり学習する時間がもてない」
そういう方もきっと居られるでしょう。
そういう方は、自分なりに考えるやり方で全然良いと思いますが、
「理解しながら覚える」ことは
ぜひおすすめします。

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