介護士に求められる、非常に大切なスキル
それは「傾聴力」です
(※傾聴とは… 相手の話に深く耳を傾けること)
介護士は、ただ聞き手に徹するだけでなく、利用者さんの気持ちに寄り添いながら聞く。
それが、傾聴力というスキルになります。
傾聴力は、一朝一夕で身につくものではなく。日々の意識・積み重ねによって高めていくものでしょう。
ここでは、傾聴力を磨いていくための、模範となる手法などをご紹介します。
お役に立てると幸いです。
まずは聞く時の姿勢を意識する
ただ受身的に聞くのではなく、心から話を聞こうとする積極的な聞き方を心がけなければなりません。しっかりと話を聞こうとする気持ちが伝わるように、聞く時の姿勢からまず意識しましょう。
相手の話に興味があり、しっかり聞く気持ちがあることを身をもって示す必要があります。
また、聞く姿勢をとることで、語ってもらえる雰囲気づくりになります。
具体的には、
★真正面ではなく少し斜めの位置で、低い姿勢をとる
…プレッシャーを与えず、よりリラックスして話せるように
★相手の方に体を向けて、顔や目を見るように
★少し前傾姿勢で
…聞こうとする気持ちが伝わる
表情・頷き・相槌を意識する
★柔らかい表情を心がける
…話し手に安心感を与えれるように
★頷きを入れながら聞く
…但し、頷き過ぎは✖ 相手のテンポに合わせてゆっくりと
★相槌を打つ
…相手をいい気分にさせる最良の方法
『そうですか』『ほんとうですか』『わかりますよ』等
★オウム返しを入れる
…相手のことばを繰り返す手法。気持ちがズレてないことの安心感に
『夜中の12時に』⇒『12時に?』等
★ダメな行為
「視線をそらす」「よそ見をする」「落ち着きがない」等
傾聴 ⇒ 受容 ⇒ 共感 へ
★受容
その人の心情をしっかりとキャッチしないといけません。
(決して容易ではないです)
心のアンテナを張って、相手のわだかまりを受け止めて聞く。
一旦すべてをキャッチする。自分の判断をしないこと。
自分の気持ちを真直ぐ受け止めてくれる人
⇒『自分の味方』という思いが芽生えるものでしょう
★共感
決して否定せずに、共にその気持ちを感ずること。
軽々しく分かったようなことは言わないように。
例)ふさぎこんでいる人に対して⇒「頑張りましょう」等
自分の感情は抑えて、相手の心情に焦点をあてること。
【共感的応答例】
『つらいですよね』
『今どんなことが一番つらいですか』
信頼関係が築けてきたらボディタッチも
★肩や背中や手の甲に、そっと優しく触れる
★握手
言葉だけが全てじゃありません。ボディタッチやスキンシップから、心をより開いてもらえることもあります。
しかしながら、
突然雑に触ったり、距離が近づきすぎたり、なれなれし過ぎたりすると、
嫌がられることもあるので注意が必要です。
信頼関係を築いていくなかで、段階を踏みながら行うべきでしょう。
対応事例
うまく歩けない利用者さんが「わしゃ、もう死にたいんじゃ」とふさぎこんでいる。
この事例の具体的な対応方法を考えてみましょう。
できることならば最終的には前向きな心にもっていきたいのですが、ふさいでいる心はすぐに良くなるものではありません。ゆっくり時間をかけて傾聴する対応をしていきましょう。
そこには「つらい思いを誰かに聞いて欲しい」という欲求があるものです。
その気持ちをしっかりと聞いてあげて、共感してあげることで、心がスッキリすることもあるのです。
「一人でも共感して分かってくれる人がいる」
そこに安堵感が生まれて、気持ちが和らいでくることもあるのです。
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