大手の訪問看護で不正が続発

今週の火・水曜と2日続けて、大手事業者の訪問看護における

『過剰請求の不正』疑いの記事が、新聞に掲載されています。

(記事の一部を抜粋します)

9/3(火) 難病向け有料老人ホーム 急成長の大手「〇〇ハウス」

11都道府県で約40か所を運営。ここ数年で事業を急拡大し、今年3月までの4年間で売上高は約5倍、経常利益は約13倍に増えた。社員数は約2700人。

【入居者への訪問看護で、実際と異なる記録を作り、不正に診療報酬を過剰請求していたことが、複数の現・元社員の証言で分かった】

 

9/4(水) 関西の有料老人ホーム 大手「スーパー・〇〇〇」

大阪を中心に4府県で有料老人ホームやパーキンソン病(難病)専門住宅を約50か所運営する。社員は約2300人。

【入居者への訪問看護で、必要性に関係なく100%複数人での訪問にするように会社的に指示していたことと、看護士1人で訪問した場合でも複数人で訪問したという虚無の記録を作り、診療報酬を不正に請求していたことが、共同通信が入手した社内文書と、複数の現・元社員の証言で分かった】

(※補足説明など)

※訪問看護は「医療型」と「介護型」に分けられる。「医療型」の訪問看護は「介護型」に比べて報酬が高く設定されている。

※医療型の訪問回数は原則、週3回と定められているが、難病や末期の利用者の場合は、毎日3回まで診療報酬を受け取れる。

上記2社の大手事業者は、より高い報酬を得られる「医療型」で「難病向け」の訪問看護を増やすことで、ここ数年で利益を大きく伸ばしてきたとみられる。

 

2日連続で類似した不正発覚の記事を目にした僕は、唖然とすると同時に、

介護従事者として悲しく、むなしいような気持ちになりました。

「介護職への参入を、微力ながら働きかけていこう」

と意気込んで、このブログを立ち上げたばかりですが、

度重なる介護事業者の不正運営を目にすると、大きく心が揺れてしまいます…

 

「不正運営をする事業所は、全国に沢山はびこっているのだろうか?」

「どうして経営陣は、こんな不正に手を染めるのだろうか?」

自分の事業所しか知らない僕には、まだまだ業界の実態・実情が分かりません。

しかし、どんな事情があるにせよ、介護に携わるすべての人間は、

「誠実な心で、正しく努めなけらばならない」

と僕は思っています。

そして介護報酬には、国の公費が多く含まれているのです。

正請求などは、国民への裏切り行為と言えます

断じて許されることではありません。

たとえ利益が少なくて経営が苦しくても不正はあってはならないのです。

 

当該事業所に勤められている職員の方々には大変同情いたしますが、

不正を行った事業者への重い処分を、国は断行してほしいです。

悲しく、むなしい不正を撲滅させていくためにも。

さらに、処分方法については「営業停止」などよりも、

「経営陣の刷新」を徹底して欲しいと考えます。

不正を推進した経営陣には責任をとらせて退陣させるべき。

倫理観に欠けた人間は去れ! と言いたい。

組織を正しい方向性に立て直す、新しい経営陣に交代させる必要があります。

最近では、自動車のダイハツ工業が不正問題から経営陣刷新を行っています。

未成熟な介護業界でも、このような事業再生ができるのか?

これは行政が携わっていくべきことと僕は考えますが、果たして今の国にできるのか?

不安は大きいです。

そもそも今回のような不正を、行政の監査部門などが全く見抜けていない

職員による告発でしか不正を暴くことが出来ていないという現実。

「事業者のカバナンスは大丈夫か?」

「正しい運営が行われているのか?」

そういう行政のチェック体制が機能していないのでしょう。

この国の、介護業界への取り組みの弱さ。本気度のなさ

を感じぜずにはいられません。

防衛費増大… たのむから巨額な武器をアメリカから買うのを減らして、

介護・社会福祉面に資金を回してほしい!

もっとしっかりした行政のバックアップ体制をつくってくれないか

そんなことを僕は感じております。

 

最後に、今回の問題で唯一救いに思えたこと。

それは、職員が自分の事業所の不正を証言してくれたことです。

職場への「会社愛」もあるでしょうし、事業所の処分によっては「職を失くすかもしれない不安」もあったり、非常に複雑な思いがあったことでしょう。

それでも、介護職員としての正義感・倫理観を優先させて、勇気を出して真実を証言してくれたのではないでしょうか。

「誠実な心と正義感を持って、介護職に向き合っている」

そんな介護職員の存在を、とても嬉しいことと感じます。

 

きっと、まだまだこの介護業界は未成熟な点や、多くの問題が埋もれていることでしょう。

かなり時間はかかるかもしれないですが、

「介護業界の成長と、正しい未来」を願って、

介護職員としての「正義感・倫理観」を忘れずに、努めていきたい

と、自分に言い聞かせるTSUBOでした。

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