(続)実務者研修受講料へのボヤキ

TSUBOのつぶやき

前回記事【実務者研修の受講料の高さ】について

著者TSUBOなりにさらに掘り下げて考えてみたうえで、追加の記事を書くことにしました。

記事後半に伝えていますが、TSUBOの考えついた結論は、

『高額設定の首謀者は、国であろう』

というものです。

この国への不信感が膨らむ…そんな心境です。

そして、

このような介護界の問題点や実態を、すべての介護職員の方々とは、しっかりと

『情報を共有していきたい』

そんな思いを込めて、この記事を発信いたします。

 

まず、そもそも僕が「実務者研修の受講料が高い」と感じた大きな要因は、

「通学講習の短さ」に対する割高感からです

実務者研修のカリュキラムは(無資格者の場合)

自宅学習:約400時間 + 通学講習:約50時間

となっております。

前回試算した通り、運営コストは、

講師料・教室・備品手配などに高いコストを費やす「通学講習」が、

大きなコスト比重を占めている、と推測します。

対して「自宅学習」は、

採点(機械採点とみる)・資料送付といった事務的コストのみなので、運営側は非常に低コストで対応できるメリットがあり、総コスト比は約1割程度のものだろうと推測します

「自宅学習」カリュキラム時間の比重が高ければ高いほど、運営側はコストを低く抑えることができるはず、とTSUBOは推測しているのです。

そのような観点にもとづいて、

通学講習50時間程度の実務者研修の受講料の高さに

『全く合点がいかない』のがTSUBOの思いなのです。

 

「介護職員初任者研修」と比較してみると、

「実務者研修」受講料の割高感が明確に分かりやすいと思います。

ちなみにTSUBOは「初任者研修」を市の支援事業を活用して無料で受講しています。

「初任者研修」には、このような支援制度が多くみられます。

国や市町村としては、「少しでも多くの介護士を呼び込みたい」わけですから、

この初任者研修を『呼び水にしたい』そんな思いがあるのでしょう。

 

TSUBOが受講した初任者研修は、通学講習のみ130時間のカリキュラム

日数にして22日間の通学講習でした。

[実務者研修:約50時間7日間]の2.5倍以上の通学講習が行われるのです。

 

ここで、少しTSUBOの思いを述べます。

TSUBOは、初任者研修の通学講習(スクーリング)22日間という研修期間を大変貴重な学びの場であったと受け止めています。

通学講習の大きなメリットは『学びの密度が断然高い』ことです

通学講習のメリット点をいくつか挙げてみましょう。

★疑問点等をその場で質問でき説明を受けれて、理解度がより高まる

★他生徒からの多様な考えも聞けて、幅広い視点・価値観を知る

★講師の実体験話からの考え方などを聞けて、介護観が深まる

★通学が長くなれば生徒同士が打ち解けやすく、情報交換が生まれる

など、自分の職場だけでは得られない、非常に貴重な学びがあるのです。

対して自主学習のほうは、

教科書を1人で読んで学び、項目ごとの課題テストを行って、添削先に送付する形。

緊張感ゼロの環境で、なかなか頭に入ってこないし、テストは教科書を確認して修正できる状況だから、まず合格点はとれる。

もちろん自分のやる気次第で自主学習でもしっかり勉強できるかもしれませんが、通学講習と比較するとどうしても「学びの密度が大きく下がる」というのがTSUBOの印象です。

このように、

【通学講習の場こそ、研修の大きな価値がある】

TSUBOはそんな実感を持っているのです。

 

しかし、僕の思いとはかけ離れて、

運営サイドとしては、通学だろうと自宅学習だろうと同一の価値と捉えて、

トータル450時間の長期間として、実務者研修の位置づけを高めていると感じています。

 

TSUBOとしては、初任者研修の通学講習で受けた「大きな充実感」と比較すると、

通学7日のみの実務者研修への「物足りなさ」を強く感じたのですが…

実務者研修では、

講師の方は、限られた時間内で必要な課題を修了させるために、本当に一生懸命に講習をすすめてくれました。

でも、授業を脱線するような講師の体験談などはあまり聞ける余裕もないままに、

「駆け足ですすめられた通学講習だったなあ」という感想だったのです。

 

話を戻して、次に

三幸福祉カレッジの「初任者研修」と「実務者研修」の受講料を比較してみましょう。

★初任者研修(通学130時間):  49,500円(今年4月に変更:旧87,780円)
★実務者研修(通学約50時間):142,670円(無資格者の場合)

いかがでしょうか? ここで、

通学講習が初任者研修の40%以下である、

実務者研修受講料の異常な高さに気付くことでしょう。

 

そして別途、注目点!

上記表示のように、三幸福祉カレッジは今年4月から初任者研修受講料の大幅値下げに踏み切っています。

87,700円⇒ 49,500円 という、驚くべき値下げを行っているのです。

これは推測ですが、

初任者研修は行政の支援制度が整っているために、通常受講料での応募者が非常に少なかったのではないか?大幅な価格の見直しをしないと募集者が集まらないと考えたのではないか?

それにしても、TSUBOがびっくりしたことは、

通学100時間以上なのに、受講料を5万円以下に出来るんだ!

という点です。

そして、この値下げした受講料でも、運営側の採算がとれるのであれば、

初任者研修の半分以下の通学50時間、の低コストで実施できる、

実務者研修の受講料は、4万円以下でも出来るはず

という推測が、導き出されます。

この金額は、前回TSUBOが試算した、理想の受講料42,000円

の妥当性を裏付けてくれるものです。

それなのにです…

10万円以上という実務者研修の高額な受講料は、一体どういうことなのか

ここまで過剰な利益をとる。そこにプラスされているものは何なのか?

大きな違和感、異常さを感じませんか?

 

こんなに受講料が吊り上げられている理由。

TSUBOが思いつく範囲で、予想してみます。

まず、重要なこととして。

各社の設定した受講料はいくらかのバラツキはあるものの、

ほぼ10万円に近いラインで設定されているこのことに違和感を覚えます。

もしも、各社が純粋にライバル同士の競争関係であれば、受講者を多く獲得するために他社に負けない低価格の受講料を出す会社が現われるはずです。

5万円を切る受講料でも十分採算がとれることを考えると、本来はもっともっと低いラインでの価格競争が繰り広げられなければならないでしょう

そうなっていかないのは、なぜ?

そこから浮かび上がってくること。

それは、

「国(厚労省)と運営企業が、密接な関係にある」ことです。

そもそも、実務者研修含めて介護の資格研修は、厚労省が指定したカリキュラム内容であり、それを運営する企業は、厚労省指定の研修運営者という位置づけになるでしょう。

企業は、厚労省の指導の下に、代行者として研修を運営・実施しているのです。

そうすると当然、受講料の設定についても厚生省の意思が働いているとみるべきです。

恐らく、厚労省からは運営企業に対して

「実務者研修の受講料はこの価格範囲内で」

このような指示(依頼?)のようなものが存在するのではないでしょうか

 

こんな推理からTSUBOが最終的にたどり着いた答えは、

この高額な受講料設定の首謀者は、国である 

これが、TSUBOが導き出した結論です。

次に、

実務者研修の受講料を過剰に吊り上げている、国の思惑についていくつか考えてみました。

あくまでもTSUBOの妄想内でありますが。

【国の思惑】

★介護福祉士修得に近づける価値を重くしたい

実務者研修を修了すると、介護福祉士にグッと近づけます。介護職員が介護福祉士を修得するメリットは大きく、何より処遇加算による給与UPがほぼ確実に受けられます。

そんな価値の重さを、国は受講料にのせたいのかもしれません。

悪い言い方をすれば、「上納金」のような意味合いも…

国「介護福祉士にしてあげる代わりに、しっかりと銭を積みなさい」
介護士「ははーかしこまりました! お代官様~」

こんなふざけた構図まで思い浮かべてしまいます(笑)

 

★国の給付金制度の価値をアピールしたい

「専門実践教育訓練給付金」は、実務者研修修了で受講料の50%、さらに介護福祉士修得で20%と受講料の合計70%の支給を受けれるのです。10万円の内7万円給付して貰えると結局、実務者研修受講料の自己負担額は3万円となるわけです。

これは、経済的に困窮しがちな介護士にとっては、非常に有難い支援制度なのは確かです。活用しない手はありません。

この給付金は、かなり大きな支援ですから

国としては、

『介護士を手厚くサポートしていますよ!』

こんなアピールを、しっかり伝えたい思惑があるはずです。

しかしです!

この給付金の元手はというと、社会保険料と公費(税金)なのです。

「明らかに高額過ぎる受講料に対して、過分に国費がつかわれている」

こんな意味を考えると、TSUBOはただただ、腹立たしさが高まります。

 

★運営企業への利益供与

先に挙げている「専門実践教育訓練給付金」は、介護士への国の支援であることは事実ですが、

その裏で、実は「運営企業のための国の支援」という見方もできます

運営企業にしてみれば、過剰に吊り上げている受講料で過分な利益を得て、おいしく儲けているのが実態なのです

受講者の支援は国がやってくれるので、運営企業の懐は全く痛まないのですから。

言い換えると、

『国は運営企業に、過剰な利益供与をもたらしている』

そんな構図が、裏に隠されているわけです。

 

実務者研修の高額な受講料を設定した「国の思惑」について

TSUBOが思いつくものは、これくらいです。

TSUBOが知りえない、何かの大きな要因があるかもしれませんし、

それとも単純に、国の価格感覚が僕達とかけ離れてるだけで、

「この価格のどこが高いの?」「普通でしょ」

そんな感覚で、設定されているのかもしれません…

 

最後になりますが、

今回は、国に対してかなりブッコんだ、過激な内容になってしまいました。

現状の国に対しては、正直残念さが強いTSUBOではありますが、

この介護界を良くしていくために、信頼できる国であって欲しい

というのが本当の思いです。

 

(今回の記事を読んで頂いた方々に)

僕TSUBOと異なる考えや意見をお持ちの方は、きっと多くいることと思います。

僕は介護界のことについて、まだまだ知らないことだらけです。

もっと過去からの背景や、介護界の実態を把握されている方は多いでしょう。

よろしければ、皆様のご意見やご忠告などをコメント頂ければ嬉しいです。

「介護職の同志として、情報を共有し合っていきたい」

TSUBOは今強く、そう思っております。

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