“楽しみを作り出す人間であれ“

介護士の心がまえ

前回投稿の “心温かきは万能なり”

でお伝えしました、僕の心の師である「桜井章一」さん。

その桜井さんが雀鬼会の若者に伝えていたことの一つに、

『楽しみを自分で作り出す人間であれ』

というお言葉があり、印象に残っています。

今の世の中、できあがった楽しみを外に求める人がほとんど。

例えば、テレビ、漫画、ゲーム機、などなど

遊びであれ、スポーツであれ、周りの人間を楽しませてあげられる人間にならなければいけない。ところが楽しませてあげられないから、車でも買いましょうと、モノに頼る感覚になってしまっている。「つまんない人間」になってしまっているのです。

僕は雀鬼会に入れるまではいかなくて「牌の音」に時折打ちに行くくらいでしたが、

桜井さんは、雀鬼会の若者達を伊豆の海遊びに連れていったり、ソフトボール大会を開くなど、周りの仲間を楽しませる催しを、よく施されていたそうです。

「楽しみを作ってあげられる人間。楽しい人間にならなければいけないよ」

 

桜井さんのその教えを、デイサービスに勤める僕が、今まさに思い返しながら、

「楽しみを作ってあげたい」

この気持ちを忘れないように、日々心がけております。

 

そして、

楽しみを作るためには『準備』がとても大切です。

デイのレクリエーション担当がまわってくるのは、うちでは週1、2回。

誰がいつ担当かを勤務表に記し、事前に渡してくれています。

自分の担当時に向けて、スタッフ各自が事前準備をしてレクに臨んでいます。

 

最近の例では、

★「十五夜お月様」の貼り絵作り(女性スタッフ)

折り紙、星シール、雲の生地や、作業道具が、しっかり準備され行われました。

女性利用者さん達は上手く仕上げようと集中して作業されます。また、一人では上手くつくれない数名の認知症の利用者さんには、周りのスタッフが完成まで一緒にサポートします。完成した貼り絵は季節中は窓に展示して、期間が過ぎてからはそれぞれお持ち帰りしてもらいます。

女性スタッフの、利用者さんに「楽しんでもらいたい」という思いと、入念な事前準備によってなされた素敵なレクだったなと、しみじみ感じました。

 

★若手の新人女性スタッフは、最近ようやく任された自分のレクで、先輩達がやったことがないような新鮮なゲームを取り入れて、楽しい時間を作ってくれています。

事前に小道具などをしっかりと取り揃えていたし、よく考えてきたんだろうなと、すごく感心します。

 

★午前のみ出勤される60代男性、理学療法士さんは、ホワイトボードを使った、クイズなどの脳トレを中心に行われます。毎回、新しいネタを用意してくれるので、楽しみにされている利用者さんが多いです。他スタッフも一緒に回答者に加わったりして、よく盛り上がっています。

 

このように、スタッフそれぞれの

「利用者さんを楽しませたい気持ち」

+「事前の準備」

によって、楽しいレクの時間が生まれていると思います。

利用者さん達の「いきいきとした笑顔」が生まれる、素敵な時間です。

 

また、一人のレク担当を支えるためと、利用者さんに安心して楽しんでもらうためにも、

周りのスタッフの協力も欠かせないものです。

日々のレクだけでなく、季節行事やお出かけ行事なども、

「利用者さんに喜んでもらいたい」

「楽しみを作ってあげたい」

というスタッフみんなの気持ちがなければ、うまくできないものと思います。

そして、入念な事前準備の大切さ

それが「介護スタッフの大切な心がけ」と僕は感じています。

 

僕自身はまだまだ、レクのプロと言えるレベルにはほど遠いです。

でも、まだ上手には出来なくても

「楽しみを作ってあげたい」

その気持ちだけは忘れずに、ずっとこの仕事を努めていきたいです。

 

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