ていねいな人になる

介護士の心がまえ

僕が介護士になってから、それまでの自分を変えようと最も課題にしていること、それは

「ていねいな人になる」ことです。

課題にしつつも、今の時点での自己達成度は「100点中で40点」といったところであります。

100点に近いレベルに自分を変えていくことは、簡単なことではなく、きっと長い道のりになる、そんな気もしています。

それでも、

「良い介護士になるためには、本気で努力し続けなきゃならない」

そう思っている、大事な課題なのです。

 

介護士になるまでの元々の僕は、まさに「ていねいさゼロレベル」の粗雑な生き方をしてきた人間でした。

「めんどくさい」「適当でササっとすまそう」「あとでやればいい」

こんな意識・感覚が自分の内に根づいており、50歳までずっと「粗雑」に生きてきた、そんな人間だったのです。ずっと独身で一人暮らしが長かったことも影響している気もしています。粗雑に過ごしていても、「誰に迷惑をかけることもないので、自分が困らなければそれで良い」そんな生き方だったと思うのです。

そんな粗雑な僕がこの歳になって介護の仕事を始めてみると、それはもう数多の失敗を繰り返す羽目になったのです。

ここではまず、介護士になりたての著者TSUBOの状態や、数々の失敗例などをお伝えします。

ひどいものですので、どうぞ笑ってやってくださいね。

【介護士当初のTSUBOの状態】

①手洗いしない

②ゴム手袋をつけない

③車椅子のブレーキをかけない

⓸車のドアをバンッと閉める

などなど。

①の「手洗い」は、同僚の看護士(仕事柄とても几帳面。作業ごとに手洗い順守されている方)から、あまりに僕が手洗いをしないことにあきれ果てて白い眼で視られ続けているうちにだんだんと、僕自身これではいけないなと感じるようになってきました。

②の「ゴム手袋」は、

・利用者さんの歯ブラシ・コップを消毒用バケツから取り出す時

・入浴後に、利用者さんの身体に塗り薬などを塗布する時

・調理担当の時

などの様々な場面で着用が求められます。僕の場合、ゴム手袋を着用するのに手間取るので、ほとんどの場合が「めんどくさい」と着けずに作業をしておりました。しかし、僕以外のスタッフは全員、必ず忘れずに着用して作業しているのを視るうちに、自分の職業意識の低さを痛感した経緯がございます。

③の「車椅子のブレーキをかけない」については、管理者や先輩達に本当に何回も何回も注意され続けても治らない期間が続きましたね。車椅子使用の利用者さんの「靴の履き替え時」「手洗い時」などは、『平らな場所で停止しているから危なくないだろう』という意識が強く、横着をしてブレーキをかけないことがほとんどでした。

しかし、介護士に求められるのは

常にリスクを避ける行動を身につける

ことであり、車椅子の介助の際は「停止時は必ずブレーキをかける」ことを身に沁みこませることが必要だったのです。

またブレーキをかけることで、

「車椅子の利用者さんに安心感を与える」

このことが何よりも大切なことと言えます。利用者さんは「ちゃんとブレーキをかけてくれている」という安心感をもってくれることでしょう。

TSUBOはようやくこの頃になって、これらの意味を認識できるようになりました。

【TSUBOのヒヤリハット例】

※介護現場では、

・事故発生時(例:利用者さん転倒による怪我の発生時)は、事故報告書を提出。

・事故に至らなくても、事故が起こる兆候と考えられるため、「ヒヤリ」「ハッと」することが起こった場合は、「ヒヤリハット報告書」を提出、施設内で共有し、要因を究明しなければならない。

ヒヤリハット例①

朝、送迎車がデイに着き、利用者さんが下車される際に、途中から外に迎えに出たTSUBOは、最後部座席(ワゴンタイプ7人乗りの送迎車)に男性利用者さんが一人残っていたことに気づかずに「もうみんな降りたんだろう」と、開いていたドアをバンッと大きな音をさせて閉めてしまった。後ろに座っていた男性利用者さんは驚き、とても憤慨して「こんなことされて! わしゃ、もう帰るけえ!」と怒りがなかなか収まらず、管理者と施設長が時間をかけてお詫びすることで何とかお許しもらえた。

ヒヤリハット例②

利用者さんの上着を預かりハンガーラックに掛ける際に、名前記入用紙に使用するボールペンを手に持ったままで上着を掛けようとして、上着にペンが触れてインクで汚してしまった。利用者さん・ご家族さんにお詫びしたところ、「問題ないですよ」と何とかお許しはもらえた。

 

TSUBOの入社1年の間はとくに、ヒヤリハット・事故も数多く起こしてしまっていたのです。

最近の面接時に、施設長が当時を振り返って、「管理者と二人で、TSUBOさんはどうしたらよいだろうか~と、随分悩んでたのよ」と聞かされました。それほどの問題児というか、介護士は無理かもしれないと、かなり不安視されていたわけです。

当時、施設長から指導されたことは、

「全てのことに対して、とにかくていねいに行うように、自分を変えてください」

「仕事を急がなきゃという意識は、あなたは捨ててください」

また、管理者からは、

「どんな小さなことでもメモをとる習慣をつけるように」とよく注意されていて、このことも、仕事のていねいさに繋がる指導であったと思います。

 

元々の僕はこんなにも、ていねいさを欠く人間だったのです。

そんな僕が介護士としてやっていくためには、自己変革が必要でした。

なぜならば、

「介護の仕事はまさに、ていねいさが必要な仕事」

だからです。

・身体の不自由な方の介助時:入浴・着替え・排泄・移乗など

・車の運転

・利用者さん・ご家族さん、への接し方

・職員同士の連携・声かけ

などなど、あらゆる面で、ていねいさが求められます。

 

そして、介護士のていねいさのメリットは何よりも

「利用者さんの安心につながる」ことです。

もしも粗雑な介護士に介助される場合は、利用者さんには「大丈夫かしら」という、不安感やストレスが芽生えるかもしれません。

逆に、普段からていねいな仕事をしている介護士に介助される時は、「この人なら任せても大丈夫だわ」という安心感があるものでしょう。

「ていねいである大切さは、利用者さんのため」

が第一と言えるでしょう。

 

さらに、ていねいな仕事をする介護士は、

「同僚・上司からの信頼が厚い」ことでしょう。

「彼に任せておけば安心だ」という信頼感は、職場内で大きなメリットになります

逆に、ていねいさを欠く介護士の場合、「彼で大丈夫かしら?」という不安から、周りの職員のストレスにつながってしまうのです。

 

TSUBOが思うに、「ていねいさを身につける」には、

仕事の時だけ限定的に、「ていねいにこなそう」としてもダメなものです。

自分の本来の「粗雑さ」が勝ってしまう、化けの皮が剝がれてしまうのです。

「ていねいな所作」は、

からだの動きとしてだけでなく、内面的な意識から起こさないといけないもの

と、この頃は思うようになってきました。

ひとつひとつの所作にも

「ていねいな思いをこめて」行うことが大切かと。

それは一長一短で身につくものではなく日頃から常に、修練していかねばならないものではないかとも。

自分の「意識」「判断」「考え方」などの面も含めて、

「生き方すべてにおいて、身に沁みこませなきゃならない」

そんな「意識改革」が求められると思うのです。

 

仕事の時だけではなく、日常すべてのことから意識をチェンジして、

「すべてのことに、ていねいな人になることを目指さなきゃ」

という思いに至ったわけです。

 

最後に、

元々の僕ほどの「ていねいさに欠けた」人は、きっと少ないだろうと思います。

しかし、介護の仕事を目指そうという方には、

「より良い介護士になるために」 とくに、

「ていねいさ」をより重視して努めていかれること

を、TSUBOはおすすめいたします。

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