著者TSUBOが「介護の仕事に全力を傾けよう」と誓ったきっかけ。
それは、昨年百歳を迎えられた「キクエさん」との出会い。
身体の衰えと闘いながら懸命に生き続け、週3デイに通ってくれています。
誠心誠意をこめて支えていきたい方。
ご家族の息子さん、お嫁さんも最高な方。
僕たちはいつもお互い気持ちがつながっていると感じます。
多分、キクエさんへの想いが同じだから。
ご利用時当初からは徐々に、体の衰えがすすんでいることを感じてきました。
「杖で自力歩行」→「歩行器使用」→現在は「車椅子使用」。
「耳が遠くなってきた」「よだれ掛けが必要になった」
「会話が噛み合わなくなってきた」などなど
でも僕にとってずっと変わらない、有難いことがあります。
それは「僕のレクを褒めてくれる」こと
『あんた今日も上手にやりよったね。感心するよ~』と
お家に帰る際は、かなり上りのスロープを車椅子で上がるため、ガタイのいい僕が送り担当になることが多く、帰りの車の中でその日のことをしみじみと褒めてくれるのです。
いつも
「キクエさん、無理せんで休んどいていいんですよ」と言っても
「ちゃんと起きて出んと、ようないけえ」
と午後14時からのレクには、体と気持ちにムチを打って参加してくれます。
レクについていくのは大変、目いっぱいなのに、
僕達のことをちゃんと見届けてくれている。
「ようやっとったよ」と褒めてくれる心遣い。
自分は身体が大変なのに、ちゃんと周りの者をしっかりと観察してくれて、
優しく、温かい声をかけてくれる。
キクエさんは、ずっと地域でご活躍をされてきた方。
子供たちへ「芋掘り」「寒風摩擦」を教えたり、
「婦人会のリーダー」や「ヨガ教室の先生」などなど
そんなキクエさんが、僕のつたないレクを心から褒めてくれる。
気力を振り絞って生きているキクエさんの言葉だからこそ、心に沁みるのです。
こんなに奮い立たされることは他にないです。
「もっともっと頑張るぞ」
「キクエさんに喜んでもらえるようなレクができるように」
と僕は、前を向いていくことができるのです。
今週は「桜花見ドライブ」行事の予定。
キクエさんは長時間ドライブへの不安があります。
家族さんにも確認をしながら、その日のキクエさんの体調を観ながら
スタッフみんなで「どうすべきか?」相談し合い、
時には、デイに居残りになってもらう選択をしたことは何度もあります。
本人は行きたくてしょうがないのです。
「生きているうちに行っときたい」「頑張るから」と涙ながらに訴えられます。
「何とか連れて行ってあげたい」「でも負担になるはず…」
僕たちはいつも悩むのです。
スタッフもご家族さんも、みんな本気でキクエさんの身体と想いの狭間で揺れて、
悩んだ末に「今回はこうしよう」と決める。
その判断が正解かどうかは分かりませんが、僕たちは
「全力で向き合い、判断する」のです。
それがキクエさんに対する僕たちの出来ること、やるべきこと。
そう信じて。
これからも
「キクエさんにデイに来つづけて貰えるように」
コメント