介護従事者不足の深刻化

おすすめ理由

「2025年問題」をご存知でしょうか?

「2025年問題」とは、「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者に突入し、日本は「5人に1人が後期高齢者という超高齢化社会」へ推移し、その影響で様々な問題が生じてくることです。

社会保障、おもに医療・介護・年金などが限界に達し、社会全体に負の影響がもたらされると考えられています。

介護を取り巻く人口予測・・・参考資料より

(単位:万人) 2020年 2025年 2030年
後期高齢者数 1872 2180 2250
要介護認定者数 669 800 900
介護職員必要数 211 240 270

2025年から2030年へと、後期高齢者数・要介護者数は一気に膨れ上がっていきます。

介護職員数は現在約210万人ですが、2025年に必要とされる介護職員が約30万人不足、2030年は約50万人以上不足となると予測されているのです。

ピンとこないと思いますが、「あと2年で介護士を30万人増やさなければならない」ことは、非常にひっ迫した状況にあるということです。今のままではとても達することは不可能であり、国をあげてなんらかの手を打っていかないと非常に大きな混乱に陥っていくことが分かっているのです。

介護を提供する側の受け皿が大きく不足するために、要介護者の方が希望する介護サービスを受けられないケースが生まれる、いわゆる「介護難民」という社会問題が起きると推測されています。

最近となって政府が、介護職員の賃金処遇改善や、外国人労働者引きこみのための法改正などを模索し始めたのは、間近に迫ってきたこの危機に向けて、ようやく腰を上げ始めたというわけです。

しかしながら、抜本的な改善にたどり着くにはまだ5年、いや10年以上先の、遠い道のりになるかと残念ながら感じられてしまいます。

実は現在すでに介護現場の多くは、慢性的な人手不足に悩んでいます。

うちのデイサービスもつねに求人をかけていますが、人手が足りない状況は頻繁に起きています。

私が感じるのは、新しく介護職に就く人が圧倒的に少なすぎることです。

業界内での人の移動は異常に高いのに、新しく参入する人が非常に少なすぎるのです。

介護業界の人手不足は、今や危機的状況といっても過言ではないでしょう。

このような危機的状況を打開するため、今もっとも期待したいのは、

「中高年男性の介護士転職を促進する」

ことと考えます。

というのは、現介護職員の男女比率はおよそ女性7割、男性3割となっており、

(数字にすると、女性150万人、男性50万人といったところ)

数字からみても、男性の介護従事者を増やすことが大きな打開策になることが明確だからです。

介護現場は、女性職員に大きく頼っているのが現状です。

そのうえで女性職員のさらなる大幅な増加は、簡単なことではないでしょう。

また、賃金処遇改善はまだ先になりそうということからも、若い男性職員の大幅な増加にも大きな期待はかけられないと思われます。結婚し家庭を支え続ける経済面をかんがみると、現在の介護士の賃金体系では負担が長くのしかかってきそうで…

ただし!若い男性職員は、とても貴重な存在であることは、ここでお伝えしておきます。

将来の管理者・ケアマネ・教育者などといったさまざまな重要な職務を請け負う、大黒柱的な立場に成長してもらいたい大切な存在です。そのためにも若手男性の介護士の呼び込みはしっかりと行っていかねばならないのです。

このような各世代の状況のなか、いま最も参入を期待したい層は「中高年男性」だと思うのです。

中高年男性の置かれている状況は、他の層に比べて介護職へ最も参入しやすい状況であることを、別の章でも述べていきます。

筆者はこの案を、もっともっと拡げていければと願う次第です。

現在の男性介護従事者数約50万人を、80万人、さらに100万人越えを目標に!

介護従事者不足を打開していけるかもしれないのです!

どうか一緒に声をあげていきましょう!

そして、あなたの介護士へのチャレンジを、同志として心待ちにしています!

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