れいわの副代表 兼 国会対策副委員長を努めるのが、
「木村英子」参議院議員です。
この方について、お伝えしていきます。
生後8ヶ月の時、歩行器ごと階段から転げ落ち、頚椎を損傷したことにより、重度の身体障害を持つ。電動車椅子を操作する右手以外、体はほとんど動かない。
「全都在宅障害者の保障を考える会・代表」
「全国公的介護保障要求者組合・書記長」
をも努めておられます。
2019年参議院選挙で、ALS難病患者の「船後靖彦」氏と共に、比例当選を果たす。
実は当時、ニュースを観ていた僕が感じていたこと。
「このような障害者の方に、議員が務まるのか?」
「国会に出るのも大変なのに、仕事はできないのじゃないか?」
れいわへの知識がほぼ無かった当時の僕は、そんな風に感じていたのを記憶しています。
しかし、れいわの活動を知り始めた現在、
『木村氏が本当にバリバリ仕事をされている』のを知りえた今、
当時の自分に対して、すごく恥ずかしい気持ちになりました。
「安易な先入観だけで人や物事を決めつけてしまう」
そんな自分を猛省したい思いです。
そして、当時の浅はかな僕のような勝手な思い込みで、SNSなどには、木村氏について偏見・差別意識による一方的な批判をしている者たちが、信じられないほど多く存在しています。
「どうせ何もできないだろう」「給料泥棒」…
そんな罵詈雑言が飛び交っている、悲しい現状がございます。
それらの認識がどれほど間違っているか を以下伝えていきます。
まずは、山本代表が木村氏について語っている言葉を引用させてもらいます。
(2021年2月 オールれいわニッポンより)
木村氏がコロナに感染した時、SNSでは地獄の釜を開けたような罵詈雑言、汚い言葉が飛び交った。「ずっと休んでるんだろう」「何もやってないんだろう」「何もできない奴を国会に送りやがって」という数々の偏見の声。
そんな認識は全く間違っている。彼女はそんじょそこらの人じゃない。
東京の多摩地区では、バリアのなかでしか生活できない人達を開放し続けてきた。
障害者の自立した生活を勝ち取り続けてきている。
『人間らしく生きていくんだ』
という闘いをしてきた人
彼女がどれだけすごいことをしてきたか、国会に入ってどういう仕事をしてきたか、是非ホームページから見てもらいたい。
普通の議員よりもはるかに仕事をしている。バリバリ仕事をしています。
実は木村英子は大活躍しているんだよ。あなたが興味を持っていないだけで。
そんなに頑張ちゃって大丈夫なの?っていうくらい、本当に頑張っている。
彼女には「頑張らないで下さいね」といつも伝える。頑張るの分かってるから。
木村さんも船後さんも「頑張るな」と言っても、頑張り過ぎる人だから。
悲しいかな、世の中には悪意も多く満ちていますが、
木村氏はそんな悪意のなかで、魂を込めて闘ってこられている方。
そのことに、僕は本当に心が震えます。
木村氏の活動を調べましたが、すごく量が多いので、僕の判断で一部を抜粋して、
以下、お伝えします。
「鉄道の廃線」「バスの便数減少」「車椅子対応タクシーの減少」とくに地方の現状について、困っている障害者・高齢者がいるということを、国交省は把握しているのか? そもそも意見を聞き取っていないことが問題である。と追及。
他にも、新幹線のバリアフリー化を国交省に訴えている。その要求が受け止められて、
⇒2020年、東海道新幹線の車椅子スペース拡大が実現している。
災害時の障害者への対応は、今だ一向にすすんでいない(2019年11月時点)
避難所の受け入れ体制が整備されていない。災害時に自宅に取り残されてしまう障害者や高齢者が存在する。2018年西日本豪雨時、某地域で51名が亡くなられた。個別計画が立てられていなかった問題もあった。
災害時に困難・危険に直面した場合の障害者の心情は「迷惑をかけたくない」というものなのです。そのことをよく理解してもらいたい。
各自治体の個別計画の作成を呼びかけてもらいたい。
学校のバリアフリー化、段差解消、多機能トイレの設置などが普及していない。突然の災害時に、避難所としてとっさに対応できて、気兼ねなく使える整備を進めて頂きたい。
(消費者特別委員会での訴え)
障害者は社会の中で、障害をもっているという理由で、健常者では出会わないような様々な差別やトラブルに巻き込まれています。
知的障害・精神障害者を狙って、悪質な訪問販売で高額商品を買わされたり、ローンを組まされたり、障害という弱みに付け込んでいる業者は後を絶ちません。
地域の食堂で、車椅子の障害者が「混んでいるときに来ないでほしい」と言われたり、「もう飯はないよ」と暴言を吐かれたり、様々なトラブルや差別にさらされています。
デパートや電車では、自然と周りの人が離れていくことがよくあります。役所の職員でさえも無視して、まるでいないかのように扱われたり。このような差別的な行動事例が多々あります。
消費者センターへの相談件数は年間1万件も発生。
そして、その消費者センターさえも適切な対応がなされていないのが実状である。
国民生活センターが消費者センターに行ったアンケートでは、89%のセンターが「障害者への対応が難しい」と回答しており、障害者と窓口の相談員の意思疎通が十分に図れていないことが分かっています。
国の指針が、末端の現場までは周知されていない、行き届いていないのです。
これらのことは、健常者と障害者の共生がされてこなかったことが要因と感じています。
法改正に向けて、国は見直しを図ってもらいたい。
と木村氏は訴えられています。
(国務大臣より)
与野党でプロジェクトチームを作り、ようやく2016年に障害者差別解消法ができました。今、3年目の見直しになっておりますので、今言われましたようなことについても、よくヒヤリングして、法に盛り込んでいくことができれば、また、消費生活相談体制の整備も推進してまいりたいと思う次第です。と返答。
このような、木村氏の活動の一部を挙げさせてもらいましたが、
いかに彼女が、意欲的かつ行動的に、努めているか
を感じとってもらえると嬉しいです。
最後に、
木村氏が『相模原事件』への思いをツイッターに綴っておられるので、
よろしければ一読して貰いたいという僕の思いから、一部抜粋してお伝えします。
(※相模原事件とは)
相模原障害者施設殺傷事件は、2016年7月未明に神奈川県相模原市で発生した大量殺人事件。知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」の元職員U(当時26歳)が、同施設に刃物を所持して侵入し入所者19人を刺殺。入所者・職員計26人に重軽傷を負わせた。Uの「障害者なんていなくなってしまえ」「こいつらは生きていてもしょうがない」などの発言が明かされている。
【木村英子氏のメッセージ(2020年1月)】
このような残虐な事件がいつか起こると私は思っていました。なぜなら、私の家族は障害をもった私をどうやって育てたらよいか分からず、施設に預け、幼い私は社会とは切り離された世界で虐待が横行する日常を余儀なくされていたからです。
小学生の頃にいた施設では、トイレの時間が決められており、夜中にトイレが我慢できず、職員を呼ぶと怒られることが怖くて、一人で廊下を這ってトイレに行こうとしましたが間に合わずおもらしをしてしまい、職員に折檻された上「お仕置き」として狭い場所に閉じ込められたことがあります。職員の言うことを聞かなければ、常にお仕置きが待っていました。
施設で私が与えられた空間はベッド一つだけ。外出も許されず、好きなものも食べられず、会いたい人に会えない、そんな自由のない権利が奪われている生活があたりまえの現実の中で、施設生活が長ければ長いほど、絶望に打ちひしがれ、心が死んでしまうほど劣悪な環境でした。
そんな環境で、職員は少ない人数で何人もの障害者の介助をベルトコンベアーのように時間内にこなし、過重労働を強いられます。
障害者は、絶望し、希望を失い、顔つきも変わっていく。その障害者を介助している職員自体も希望を失い、人間性を失っていき、目の前にいる障害者を人として見なくなり、虐待の連鎖を繰り返してしまう構造になっていきます。
もちろん良い施設もあると思いますし、優しい職員もいるでしょう。
やまゆり園がどのような施設かは私には分かりませんが、少なくとも私が居たいくつかの施設経験では「絶対に戻りたくない」と感じるほど、ひどい場所でしかありません。
このような環境では、「何もできないで人間として生きている価値があるんだろうか?」と思ってしまう、U被告のような職員が出てきてもおかしくないと思います。
今の状況では、施設がないと本当に困る家族が沢山います。
介護を続ける家族は疲弊し、そのことで家族の崩壊をまねき、結果的に施設に預けるしか選択肢はありません。
障害のある子供が普通学校に行きやすいような受け入れ体制が整っていたり、通学や通勤に介助者をつけられる制度が充実していたり、さまざまな社会参加が、家族だけではなく他人の介助者によって可能になれば、障害者の生活の幅も広がるし、家族だけが面倒をみなければいけないという重圧から、家族も開放されるはずです。
国が率先して支援することによって、施設ではない選択肢を家族が持てる。
そんな社会構造の変化が必要です。
現状の社会では、あまりにも「障害者が地域に出にくい」
ということは、世の中の人が障害のある人を知る機会が少ないということです。
介助が必要であっても、小さい時から普通学校に通えたり、習い事を自由に受けたりして、
「社会の中で共に暮らすことができたら、自然にお互いを知って支え合うことができる」
と思います。
幼い時から障害者と健常者が分けられずに育つ環境が整っていたら、支え合うコミュニケーションが生まれ、差別や偏見を生み出さない社会がつくられると思います。
そして、
「障害者は生きていても意味がない」という考えを持つ人も、いなくなるのではないでしょうか。
障害者が生きやすい社会は、誰もが生きやすい社会になると信じて、これからも取り組んでいきます。
木村氏自身のとてつもないほどの辛く苦しい施設経験からの、魂のお言葉。
その言葉は非常に重く、僕の心を揺さぶります。
僕たち介護士は、介護学習時に「ノーマライゼーション」という「高齢者や障害者が健常者と同じように当たり前に生活できる社会こそがノーマル(正常)」という考えを学びましたが、頭だけで理解するよりも、自身の辛い経験から発せられた木村氏のメッセージに、その想いの重さを痛感させられるのです。
この木村英子氏のメッセージを
「一人でも多くの人に、聞いて貰いたい」
とくに、介護・福祉に携わる方に。
心の底からそう願います。
そして、介護従事者として僕自身も、
「誰もが、共に支え合って、生きていける社会」
の実現を願って、職務を全うしていきたい。
そんな想いを心に誓いました。
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